2005年8月18日、Neil Youngの新曲お披露目ライブが開かれた。
場所はナッシュビル。
アメリカはテネシー洲のナッシュビル。
カントリーを知らないものにとってはただのありふれた田舎町にすぎないが、知る者にとってはささに聖地の場所である。
その聖地でもある場所のこれまたカントリー・ミュージックの重要文化財的存在がRYMAN AUDITORIUM。
40年代50年代の多くのカントリーミュージシャンたちが演奏した由緒正しきシアターである。
古臭いところでカントリー。
まさに現時点のNeilの音にふさわしい場所ではないか・・・

NYで脳の手術を終え、その2日後、公園に散歩に出かけ、針の縫い合わせがうまくいかなかったせいで、その縫い目が裂けて破裂状態となって意識不明にまで陥ったNeil Young。
今年11月12日に還暦を迎える彼にとって、ファンとしては命の縮まる思いで経過回復を心より祈り続けていた。
Neilはカムバックを果たした。やっぱりこの男は神がかりである。

入院前にこの新譜「Prairie Wind」の8曲はすでに書き上げていたという。
2003年に発売された大掛かりなスケールの「Greedale」。
ツアーを主体に新譜やDVD、そして映画も・・・・まさにエネルギーの塊だった2003年、2004年だった。
2005年は脳の手術で入院し、活動にはストップがかけられたが、Greendaleの後にもう次の構想がしっかりと建設されているところはさすがとしか言いようがない。
新譜の発売に先駆けて、7月のライブ8、8月に親しい関係者や限られたファンだけを招いたこのライブ、そしてハリケーン・カタリーナ救済ライブ、ファーム・エイドそして10月末のブリッジ。
やはりNeilはじっとはしていられないアーティストだ。

さて、9月の27日発売となった新譜の「Prairie Wind]では70年代の往年のファンたちのカムバックが十分期待されるアルバムとなった。
hirokoは運良くこのRymabnの音源を入手できたので、初めてオーディエンスに新曲全曲を披露したライブの臨場感を味わうことができた。

Greendaleのライブの影響を引きずっているのか、1曲が終わるたびに、少しばかりの解説やコメントまで披露してくれている。

大きな拍手に包まれてNeilga登場し、すぐさまに1曲目の1. The Painter。
優しくそして静かなカントリー曲。

2. No Wonder

ある友達の一人が言ったんだ。
ここ(ライマン・オーディトリアム)はまるでOld Guitarのようなんだってね。
その大昔には教会だったそうなんだけど・・・教会といえば僕も子供の頃から親しんできたんだ。
次の曲にも登場するけど・・・そう、時代の流れをいつも静かに見守っているんだ。

3. Falling Off The Face Of The Earth

2,3ケ月前NYの友達に随分はげまされたんだ。ヴォイスメイルなんかももらってね。
誰?とは名前は言えないんだけどね・・・・
その人にお礼を言いたくって・・・・


4. Far From Home

カナダで生まれ育った子供の頃、鶏を飼育していた頃のことがよみがえってくるんだ。
父さんやおじさんや従兄弟たちが集まってさ。。

5. It's A Dream

友達のジョナサンとナッシュヴィルについて話していたんだ。
人も増えて随分と変わった。
歴史的な大きな建物も残っている。だけど、そのスピリッツもしっかりと残っているんだ。
そしてそれは永遠に続いていくんだ。どんなな街が変わって人も変わってもね。

6. Prairie Wind

人は遅かれ早かれ親と永遠の別れがやってくる。
実際僕も数ヶ月前に父を亡くしたんだ。
お葬式の時に従兄弟たちが集まって、父の話をしたんだ。
彼がビュンビュン、スピードを出してドライブをしていた。
ポリースが追っかけてきたって、こうだ「コップ!」彼っていつだって「大丈夫だったよ」


7. Here For You

Empty Nest・・・・巣がからっぽになっちまったよ。
昔はにぎやかだった巣も、一人一人と巣立っていく・・・そしてついにはEmptyになってしまうんだ。
いろいろLove songは書いてきたけど、これはタイプの違うLove Songなんだ。

8. This Old Guitar
僕の世界一好きなギターはウィリーネルソンが使っているギターなんだ。
だけど、このギターもお気に入りさ。
これは1951年に探し出してもらったギターでね。
カントリーの大家ハンンクウィリアムスが所有していたものなんだ。
ある時、ツアーバスの中でボブ・ディランがこいつを弾いたよ。
今こうしてこの場所でこのギターを僕が弾けるなんて光栄な話だ。
この曲はまさにハンクが書いた曲さ。


9. He Was The King

グレースランドのシェリルから電話をもらったんだ。僕のスクリーンセイバーにエルビスがいるんだ。
彼はまさにkingなんだよ。








新譜「Prairie Wind]
音的には1978年の「Comes The Time」を思い起こさせ、内容的には「ハーヴェストムーン」や「シルバー&ゴールド」的要素を含んでいる。
今年60歳という還暦を迎える彼、数ヶ月前に父との永遠の別れ、子供たちの巣立ち、意識不明にまで陥った自分の体。
過去を振り返ることなく常に変化を求め新しいもの追求し、突き進んできたNeil Youngも「OLD」を素直にまっすぐ抗うことなく受け止めた姿勢がいたるところに感じられる。
OLDギターをまるで自分になぞらえるかのように・・・
彼の原点でもある聖地のナッシュヴィルに立ち返り、29歳という若さでこの世を去ったハンクのギターを手に取り、OLDギターを歌う。
このアルバムはかなりパーソナル色の濃いものだ。彼の今までの人生に登場したものや人・・・それらに感謝の気持ちを込めている。
すべてにありがとう」の気持ちが込められている。
最後の曲のGOD MadeMeなどはまさに彼が病状からの奇跡生還を神に感謝しているように思われる。
Far From Homeなどは父との思い出でもあり、「かつてバッファローが歩き回っていた草原に埋めてくれ」
掘り下げれば彼の遺言を聞いているかのようにも聞こえてくる。
父親を失ったNeilの父に対する感謝の気持ちがいたるところに光っている。
そして、また父としてのNeil、も登場する。
世界のNeilヤングという重たいコートを脱いだ、巣立っていく一人の娘を失うただの父親の計り知れない寂しさがにじみ出ている。
まさに娘のアンバーに対するタイプの違うラブ・ソングである。
世の父親の気持ちがこの1曲に込められているといっても過言ではないだろう。
寂しさと優しさ・・・・鼻柱がじぃーんときてしまう。
God Made meではGODが登場する。
だが彼はキリストを崇拝するクリスチャンではない。
確かに子供の頃から教会は身近にあり、ずっしりとたたずみながら彼の成長、時代の変化を見守ってくれた。
だが、Neilの意味するGODは自然のことである。
Prairieが教会である。

The Painterが現在の彼の心境を物語っている。
It's a Long Road Behid Me・・・・歩いてきた道は果てしなくながい道のりだった。だけど・・・

It's a Long Road ahead・・・・・ そしてこれからもまた長い道のりなんだ。

過去の思い出、そして影響を与えてきたものや人々に今感謝の気持ちを述べ、そしてまた60歳を皮切りに新しい道を歩む、静かな意気込みが感じられる。

下記のセットリストを見てもお分かりかもしれないが、このPrairie Windは書き上げた順番で構成されている。
そして第二部のセットリストも書き上げた順番だ。
何か・・・Neilの集大成というか、Now and Thenバージョンのようである。



Set list


08-18-2005, Ryman Auditorium, Nashville, Tennessee
w/ The Prairie Wind Band

1. The Painter
2. No Wonder
3. Falling Off The Face Of The Earth
4. Far From Home
5. It's A Dream
6. Prairie Wind
7. Here For You
8. This Old Guitar
9. He Was The King
10. When God Made Me
---
11. I Am A Child
12. Heart Of Gold
13. Old Man
14. The Needle And The Damage Done
15. Comes A Time
16. Four Strong Winds
17. Old King
18. Harvest Moon
19. One Of These Days