HAMPDENPARK,SCOTLAND
30/06/2009



熱いROCKはいつだって大歓迎だ。
昨年末に出たアルバム「ROCK'N ROLL TRAIN」で健在振りを世界中にアピールしたAC/DC。
難しいことを考えずただただ理屈を抜いて体をカクカク、首がカクカクなるビートの波長にじっとしてはいられなくなる時ってない?
まさにAC/DCは音楽的な技術や歌詞云々なんぞはクソ食らえ。
何をじっと済ました顔してんだ?
乗ろうぜ!乗りまくろうぜ!体を動かしゃぁいいだけだ!
AC/DCってそんなバンドだ。

大々的な世界ツアーが始まり、首を長ぁーくしながら待ち続けた。念願のAC/DC。
マイミクの友達から、先立ってDVDを送ってもらってはいたが、hirokoは生ライヴを見るのが実にはじめての経験となる。
ゆえに、どれほど恋焦がれ、まるでティーンエイジャーのように楽しみにしていたことか。

ヴォーカルのボン・スコットのいないAC/DCなんて・・・だなんてヤボはなしだ。
スクール・ユニフォームを着て半パンツを未だにはいて頑張っているアンガスがいるじゃないか!


この二人のYoung兄弟はスコットランドのグラスゴーで生まれている。
1963年にアンガスが8歳の時にオーストラリアへ家族で移住しているが、今回のグラスゴーはハムデンパークはまさにHome Coming Liveなのである。
亡くなったボン・スコットもパース郊外の出身だし、彼の亡き後を引き継いだBrian Johnsonはイングランドではあるが、ニューキャッスル郊外の出身で、AC/DCといえばオーストラリアのバンドというレッテルこそあれど、里はUKということになる。

里帰りを迎えるスコットランドではなんと、国会議員のAC/DCファンの一人が何か賞を与えようと運動していたというのだからお目出度い。
地元の新聞にもアンガスが生まれ育ったグラスゴーのウエスト・エンドCranhillにアンガスが訪れ、そこを「アンガス・ランド」と命名したエピソードや「こうやって、故郷へ里帰りして、国のナショナル・スタジアムであるハムデン・パークでGigが出来るなんて、本当に名誉だよ!」とインタビューに応じていた。


6月30日。
長いワールド・ツアーの千秋楽に故郷のホームグランドを踏むAC/DC。
きっと盛り上がり方も通常ではないはずである。

今日は今までにない長い1日となるだろう。
エジンバラを8時半のバスでグラスゴーに入る。
ムイムイと蒸し暑い。
すでにグラスゴーの町には各所のCD ショップから大音量でAC/DCが流れているし、至る所でAC/DCのロゴ入りT-シャツ来た老若男女で溢れ返っている。
およよ・・・今日は平日だからと甘く見ておったなぁ。
各国からの追っかけというもんがいるんや。。。。
改めて彼らの人気の凄さに、こりゃぁウカウカしてらんないと引き締まる思いがした。

いつも泊まる定宿のトラベロッジは満員御礼なわけで、ユーローホステルを選んでいた。
ホステルとは言えど、ちゃんとプライベートルームもあり、バス・トイレ付きで朝食までついて二人で£45とはありがたいお値段である。
チェック・インは3時だが、一人£3を払えば11時半にEarly Check Inが出来る。
ここは長帳場に備えて、アーリー・チェックインを果たし、しばし体を休めることに専念する。
さすがの安宿、ユーロー・ホステルには多くのAD/DCフリークたちによってAC/DCホステルと化していた。
特にヘビメタ国のドイツの追っかけファンが目立つ。
驚くのが隣のPUBでは本日は1日中AC/DC Dayとなっていて、ガンガンのボリュームでAC/DCの名曲が流れスクリーンではVIDEO放映がされている。
・・・あたし・・・AC/DC好きやけど、1日中聞いていられるほどのフリークではない・・・・冷や汗が流れそう。。。。
世の中にはこいつを1日中聞いていられる真のファンがいるんやなぁ。と頭が下がる思い。
4時のゲートOpenに向けてホステルを出発。
スコットランドのナショナル・スタジアム・ハムデンパークへ到着する。
フットボールのカップ・ファイナルでアバディーンVsセルティックの応援にマイケルたちと意気揚々と乗り込んだのが10年も前の話である。
ここで大名物となっているスコットランド1不味いマカロニ・パイを食して、まさに聞きしに勝る凄い体験をしたことがまるで昨日のようである。

ゲートOpenの30分前には列に並んでいた。
オフィシャル・マーチャンダイスには、色とりどりのGoodsが並んでいるが、まぁ、どのアーチストにしても価格が上がったもんだ。
トレードマークでもある、赤いデビルの角のヘアーバンド・・・・(ピカピカ電気が点滅するシロモノ)は£8.00もするんだからねぇ。
Neilのライブで味をしめたクリスとhirokoは性懲りもなくゲート・オープン後は再び何もかも無視してステージに向かって走る。
いくら何でもこんだけの大スタジアムのライブで、水分もトイレも腰掛けることも断念して、本番までの4時間半を耐えることが出来るのだろうか?
不安は目一杯だ。
まぁでもやれるとこまでやってみよう。ってなことで、とにかく前方へとひたすら走る。
確保出来たのは中央右側の前から5番目の位置。
炎天下の中、こいつはどこまでいけるのか?
だが、ここをひとたび出ると、最初のオープニングの感動は味わえないぞぉー。
何しろ今回のツアーのオープニングはhirokoの大のお気に入り「Rock'nRoll Tarin」である。
この1曲だけでも我慢できれば、後方へ退いたって構わないと二人で話合っていた。
じりじりと太陽が顔を出したり引っ込んだり、だが、蒸し暑さがしっかりと体に張り付く。
おまけに人々でびっしり詰まっている。
今から4時間半の長丁場、50歳の体力でどこまでいけるか、まるで忍耐のテストである。
ありがたいことに、こういう炎天下のライヴでは、セキュリティーの人々が水分補給のための紙コップ入りの水を配ってくれる。
前から手渡しで、欲しい人にバトンリレーしていくのである。
前方にいるといつも水にはありつける。
だが、あまりに水分を摂り過ぎてもトイレへ行きたくなるからバランスが必要だ。
一番長いのは前座が始まるまでの時間である。
ひとたび前座が始まり音楽が始まれば時間の感覚は短く感じる。
オーディエンスはNeilの時とはがらりと変わる。
60歳代というのは殆どみかけない、やはり時代的に50歳代がトップで断然若者が多い。
しかしまぁ、こんな大会場で前方を確保するのはいつだってマニアックなファン、そして追っかけのオタクたち、そして真の音楽ファンということになる。
本当のファンや音楽ファンはトラブルは起こさない。これはどのミュージシャンのライブでも言えることだ。
だが、どれだけの思い入れがあろうともこのえげつない状況の下で4時間半も、突っ立って待てるだけの体力が誰にでもあるはずもない。
一人二人三人と脱落していく。
hirokoももう腰や背中が苦しいし、足が痺れてきた。
「ほぉーほぉーーひぃーろこちゃん、こっちの水はあぁーまいぞぉー!ほぉーほぉーひぃーろこちゃん!」と・・・後頭葉から聞こえてくる。
後ろに行けば、座れる。トイレにもいけるぞ。ビールも飲める。足が伸ばせるぞぉー・・・・・・・スクリーン画面を見ながら、ビールを飲んで、足を伸ばせて、楽しいぞぉぉー・・・・何度も何度も誘惑の声が脳みそを駆け巡っている。
そのたびに、「スクリーンを見るのなら、家でビールを飲みながらVIDEOを見りゃぁええのや。」と言い返す。
再三に渡ってこの誘惑とのやり取りを歯を食いしばりながら、足を踏ん張った。

バリアにはAC/DCT-シャツを着込んだマニアックな追っかけや地元のファンたちで占領され、同年代のカップルもいた。
脱落者が出るたびにhirokoは1列1列と前に詰め寄ることが出来、前座が始まる頃には前から2番目になっていた。
「追っかけでもマニアでもないのに、こんな場所にいてすんません」である。(笑)

前座は2バンド。
最初はベルファーストからやってきた「The Answer」と「The Subway」
体を揺らし、しばし時間を忘れることが出来た。

4時間半、我ながらここまで我慢できるとは思いもしなかった。
とうとう本番だ。
ステージの巨大なスクリーンが映し出される。
DVDで前もって予習をしていたRock'Roll Trainのアニメーションが爆音を伴って映し出される。
ステージ映画きらびやかになり、そして爆発音!
でたぁーーー!

昨年末の発売以来何度も何度もリピートして繰り返し聞き込んでいたRock'nRoll Trainのイントロに乗ってブライアン、そしてスクールユニフォームのアンガス君が登場する!
狂乱するオーディエンス。
ほんまもんやぁー!ほんまもんのAC/DCやぁー!
hirokoもひょーひょーと雄たけびを上げる!!!





http://www.youtube.com/watch?v=Wa9wEBxIMig&feature=related

ジャンピングが始まる。
One hot angel
One cool devil
Your mind on the fantasy
Livin on the ecstasy
Give it all, give it,
Give it what you got
Come on give it all a lot
Pick it up move it
Give it to the spot
Your mind on fantasy
Livin on ecstasy

Runaway Train
(Running right off the track)
Runaway Train
(Running right off the track)
Runaway Train
(Running right off the track)
Yeah the Runaway Train
(Running right off the track)

ワン・ホット・エンジェー!ワン・クー・デェーボー!
声高らかに両手を振り上げて、大合唱だ。
こりゃぁヤバイぞ。。。
こんな調子で最後まで「持つ」???
ノリノリに乗りまくる!Rockって素晴らしい!
オープニングに素晴らしい曲だ!
中央の通路にブライアン、そして白く美しいおみ足の55歳のアンガス君が移動する。

通路に現れると、オーディエンスの波は通路側(我々の位置からすると左側)へ大きく波がうねっていく
ひゃぁー!サイコーやんか!
4時間半ひたすら我慢で待った甲斐が大ありだ。

1曲目が終わり、ほっと息つく暇もなく、2曲目のHell Ain't a Bad Place To be
始まった途端、信じられない巨大な力が後方から加わってきた。
出た・・ヤバイ!こりゃぁ、ヤバイ。。。。
この体験はエアロスミス、アーケードファイアーで過去に経験していたが・・・どれも場所はグラスゴーだったっけ・・・・
その後、この力は弱まるどころかどんどん加速と重力を伴って前方に乗りかかっていく。
危ない!あああああああああああああ・・・・・・・・・
息が・・・息が・・・息が出来ない。
巨大な力に揺れる、まるで木の葉のようにジャンピングと前後左右への将棋倒し圧力だ。
めがねが外れる。
鼻が胸がぺっちゃんこになるくらい前方の男性の背中に・・・貼り付けられて息が出来ない。
何かが肩に打ち付けられた。
もう駄目だ!
クリスの手がかろうじてhirokoの背中を支えてくれているが、こけたらもう立ち上がれないだろう。
クリスが叫ぶ・・・「後ろへ撤退だっ!」
二人で圧力に逆らって後ろへ撤退しようと試みるのだが、何百という力が後方からかかってくるのだ。
蟻が人間様に立ち向かっているに過ぎない。
前のバリアへギューギューの押し付けられる。
バリアのファンたちは悲鳴を上げる。
女性たちはみんな悲鳴をあげる。

hirokoはクリスに支えられて通路側の屈強な男性たちによって、持ち上げられ通路側のフェンスバリアを越えた。
着地すると警備員と救急隊員が待ち構えていてくれた。
救急隊員のお兄さんに支えられ、FirstAidの救急テントに担ぎ込まれていた。
体が震えていた。
腕と手がぶるぶるとまるで痙攣を起こしたように震えていた。
呼吸が異常だ。。。
応急テントに入ると救急隊員から水をもらい、呼吸が整うまで背中をさすってもらう。
暫くのショック状態が治まった後、問診が始まり、住所氏名年齢、かかりつけのドクター云々での質問に答えていた。
ずっと焦点が定まらず、自分の靴を眺める一点だったが、ようやく回りの状況を観察できるまでに回復していた。
ふと隣には若いお兄ちゃんが酸素呼吸器をしながら横たわっていた。
どんどんと女性が入ってくる。
あっ、あたしの前のバリアにいた女性だ。。。。
かなりの震えがきている。
そりゃぁそうだろう。
バリアって平穏なライヴなら特等席だが、今日のような殺人Waveが発生すると、これ以上前にいけないバリアの人間は巨大な力でバリアに打ち付けられることになる。
肋骨が折れたり、窒息する立派な殺人兵器になってしまうのだ。
自分のようなOne OffのにわかAC/DCファンとは違って、彼女は追っかけの真剣なファンである。
自分もNeilの追っかけをやっているからよくわかる。
もしもNeilのライヴでこんなことが起こったら、腹がたって、悔しくて、やってらんない!
4時間半も何もかも犠牲にして、始まって2曲、3曲目で救急テント送りになるなんて、誰が予想できようか!
それを思うと、本当に彼女が気の毒になって仕方がなかった。

グラスゴーは音楽の街である。
多くの素晴らしいミュージシャンを世に送り出している。
多くのミュージシャンたちはグラスゴーのオーディエンスの乗りに舌を巻く。
どこの地にも比較できないほどの音楽通が集まっているし、同じスコットランドでもエジンバラやアバディーンとは全く質が違うのだ。
だから、彼らはグラスゴーでGigをするのを喜んでいる。
だが、もう1つ忘れてはいけないのが、グラスゴーはドランク・カルチャー、喧嘩のカルチャーも存在している。
フットボールの町でもあるこの地ではレンジャーズとセルティック、つまりプロテステスタントとカソリックが絶えず諍いを起こしている。
週末のこの2チームのフットボールのゲームのある時には、どこかで必ず喧嘩がおっ始まっているといっても過言ではない。
イングランドのフーリガン同様である。
彼らはフットボールにしろ音楽にしろ、ただただ酔っ払ってトラブルを起こしたいだけのトラブル・メーカーなのである。真のフットボール・ファンや真の音楽ファン、真のAC/DCファンがこんな人を押し倒すような危険な波を起こすわけはない。
波なのだから必ず出発点がある。
誰だって前に前に行きたい。
だけど、前に行きたいならば、早くから並ばないといけないのである。
直前まで酔っ払いまくって、始まると酔った勢いでどんどんと前に体当たりをかけて割り込んで突進していく。
前の人々を押して押して押し捲る。
波の出発点周辺にいるものは、やはり便乗して前へ前へと自分たちも・・・とばかりに押し捲る。
それに加速度と重力が加わり最終地点のバリアへと何百人もの人間の体という波が出来上がる。
この圧力が怖いから前にいるものは後方の押してくる奴らに座を開け放すという寸法で、彼らはどんどんと前へと押し寄せてくる。
全くけしからん話である。
Neilの時のように一人二人のトラブルメーカーならばセキュリティーの人間につまみ出してもらえるが、もう何百人という圧力の殺人波が出来上がってしまってからではセキュリティーすらどうにも出来ないのである。
だただた、子供や女性たちをこの場から救出することに専念している。
真のAC/DCファンの男性たちが次々に、hirokoを助けてくれたみたいに、女性たちを抱え挙げて、殺人エリアから救てくれていたらしい。

ようやく落ち着き、救急隊員に「もう何とか大丈夫です」とお礼を言って、ふらふらと救急テントを出た。
やはりhirokoの周りで4時間半を共有したバリア近辺にいた女性たちが、次々にフラフラの状態でテントの中に・・・・
たまらんよなぁ。
救急隊員は大忙しだ。

まずはフラフラしながら後方の死角シート(ここは開け放されている)で腰掛けて、クリスが無事であることを祈っていた。
この状態だ、クリスだっていつ後方へ撤退できるかわかったものではない。
何曲が過ぎたのだろうか?
後方は思い思いの場所へ座り込んで、ビールを飲みながら、巨大スクリーンを眺める、ゆったりまったりムードで実に平和そのものだ。
最初からここだったらよかったな。(笑)
「へい!ビール欲しかったら、飲めよ!」とウィジー(グラスゴーっ子)特有の底抜けの陽気さで、5−6杯のプラスティック・グラスを並べたおじさんが声をかけてきた。
あああ・・・こーいうウィジーがほんまのウィジーなんよなぁ。
hirokoも笑える余裕が戻ってきた。
「今はいいわよ。また後で欲しくなったらもらうね!ありがとう!」

トイレへ行き、外へ出てタバコを一服して、再び大音響のスタジアム内へ。
ちょうど戻ったところで、クリスを確認。
自力で後方へ脱出に成功したクリス君。
ひょろひょろだけど、さすが男やなぁ。。。(笑)
クリス君もヘレヘレになりながら、二人でぺたんと座り込んで、スクーリーン観戦に入り、まったりとボケモードに入っていた。

アンガス君のストリップ!
http://www.youtube.com/watch?v=Kpza6Q2aHig&feature=related

なんということだ!
アンガス君にビールを投げつけた奴がいた。
銃殺にしてまえぇーーーーーー!


http://www.youtube.com/watch?v=CjBOg50EDqw&feature=related


hirokoのお気に入り曲の1つ。Hell's Bellだっ!
地獄のベルが天井から降りてくる。
ブライアンが飛びついて鐘を打つ!

http://www.youtube.com/watch?v=Y0_xsh3ohCY&feature=related


・・・というわけで、まともなレビューは書けない。
すみません。
テンションが思いっきりぶち切られはしたが、何とか持ちこたえて生還することが出来た。
すでにセットリストは頭に入れ込んであったので、Highway to Hellが終わると、帰りの大混雑を避けようと、会場を後にすることに決めた。
背中に終了後の打ち上げ花火に見送られながら、バス停へ。
Fish &Chipsを買ってホステルに戻ってパクついた。

散々な目にあった。
翌朝、体のあちこちが痛い。
何か至る所が青くなっている箇所がある。
いろんなところに打ち付けられたからなぁ。
肋骨も痛い・・・とほほほほ。
これでも昔はパワードラムのみどろちゃんと言われたパワーRockerだったのににゃぁ・・・・

ちょいととおぶんは大人しく心身共のリハビリに励まねば・・・
もう二度とグラスゴーのStandingのライブでは前には行かないぞ!
教訓だ。





Set List

  1. Rock n Roll Train
    Hell Ain't a Bad Place To be
    Back In Black
    Big Jack
    Dirty deeds done dirt cheap
    Shot Down in Flames
    Thunderstruck
    Black Ice
    The Jack
    Hells Bells
    Shoot to thrill
    War Machine
    Anything Goes
    You Shook Me all night long
    TNT
    Whole lotta Rosie
    Let There Be Rock

    Encore:

    Highway To Hell
    For Those About To Rock