UFO
INVERNESS
21/03/2007






UFO を始めて知ったのは、そのアルバムたちがリリースをして随分とたってからのことではあるが、大学に入りクラブでバンドをやり始め、同期の男の子たちが奏でていたサウンド・・・これが間違いの元(笑)
スコーピオンズやUFOのコピーをやっていた「スクリュードライバー」というバンドだった。
ツェッペリンやDeep Purpleを擦り切れるほど聞いて卒業したあたりである。
当時の選択は音楽ファンにとっては滅茶苦茶困難極まりない時代だった。
何しろスポンジの如く何でもかんでも吸収できる多感な青春期であると同時にちまたにはさまざまなジャンルの音楽がうごめきひしめいていた。
元来が欲張りなhiroko。は、純FOLKをやっていたかと思うと、ハードROCKで乗りまくり、ウエスト・コーストでハーモニーを満喫し、ソウルで腰を揺らし、ニューミュージックで心を暖めて、ヘビメタで狂うという其のさまざまなジャンルに入り込んで、とっぷりと音楽にひたひた浸された毎日だった。
そのスクリュードライバーというバンドのドラマーが始終抜けたりアキシデントに見舞われるたびに、hiroko。が身代わりドラマーとしてバンドに参加していたのがきっかけで知ったUFOなのである。
「とにかくリズムキープだけでも頼むわ!」とカセットTAPEを手渡され、聞いたのが、Natural ThingとToo Hot To Handleだった。
そのタイトで覚えやすくてhiroko。の大好物なあごが外れそうなほどな縦ノリノリ!
何か・・・今までのROCKになかったセンスとスマートさ・・・そおしてメンバーの男前!天才ギターの美しきマイケル・シェンカーにハスキーでセクシーなフィル・モグ。
それからというものメンバーからレコードを借りて、とっぷりはまり込んだ。
当時の感覚では、その音楽性も勿論のこと、今までにない新鮮な感覚のROCKだったし、何よりもギターのレベルがダントツだったのが、多くのギター小僧の感性にビビビィーンと共鳴したのだろう。
メンバー全員が細くてハンサムでお洒落で、おまけにアルバムのジャケットが一種異様な必ずや印象に残るものだった。
結局hiroko。のUFOは上記のフェノメノンから始まる5枚までである。

バンドとしてのUFOの歴史はかなり長くて複雑極まりない。
結成が1969年 第一期UFOで誕生したロンドンのバンドだった。
UFOを位置づけるならば、そのデビューが1969年ということでツェッペリンやプログレが世の中を動かそうとしていた時代的背景にあって、最初に出した数枚のレコードはあまり陽の目を見ることなく、それでも下町のロンドンのライブハウスではそこそこに平均年齢19歳という若さでデビューした彼らはまだまだ未来に向かって希望を蓄えていた頃だ。
ドイツをツアーすることになり・・・ところが、ギタリストがパスポートを忘れて、ツアーに参加できなくなった。
ドイツへ到着はしたものの、キャンセルすることが出来ず、ちょうど前座でプレイしていたスコーピオンズに金髪のスゲェー奴がいて、そのスゲぇー奴を助っ人そして借りる形となった。そのすげぇー奴が「マイケル・シェンカー」だったわけである。
意気投合したメンバーたちはマイケルをロンドンに呼び寄せて、UFOの黄金時代を築いたことになる。
これからよりBigになろうという勢いをマイケルの出たり入ったりで・・・中堅の実力バンドのままで終わってしまった感じがある。

hirokoが知ることになったPhenomenonというアルバムは1974年8月にリリースされた。
この時期のメンバー・・・まだ4名だったが・・・マイケル、モグ、ウェイクそしてアンディー、そこにポール・レイモンドが加入し、マイケルが出たり入ったりを、繰り返したものだから、ポール・チャップマンが入ったりしていた。
‘1978年のオブセッションまでの4年間がhiroko。の知るUFOだ。


大学を卒業し、楽器屋に就職して、LM楽器のスタジオなんかを行ったり来たりしていると若いアマチュアバンドたちがやはり、UFOのドクター・ドクターやロック・ボトムなんかを練習しているのを見ながら妙に懐かしさを覚えていたが、そのうちにUFOもhirokoの中で美しき若き思い出として、封印が施された。

あれから数十年が経ち・・・・MIXIのマイミクのYASUさんからUFOのライヴ音源を頂いてから・・・長き眠りについていたROCK魂が怒涛の如く溢れ返ってしまいにっちもさっちもいかなくなってしまった。
そもそも、ハードROCKやヘビメタ系統を聞いてしまったが最後、聞くだけでは物足りなくなってしまい、「バンドやりたい病」に陥ってしまうのだ。
不思議にそれ以外のジャンルを聞いても、ドラマー心を揺さぶられることもなく過ごしていたのに、ROCKやヘビメタはいけない。
ドラマーとしてのROCK魂がビートを求めて狂いだす。踊るだけではまだまだ物足りない。
なにやってんだ!べいべぇー!である。
今年に入ってから、UFOな毎日が続いていた。
あああああ・・・生が見たい!生でRollしたい!生でシェイクしたい!生でシャウトしたい!
50にもうすぐ手が届く年齢もぶっ飛んで、タイムマシーンにでも乗って、学生時代に逆戻りしたような感覚に陥っている。
後生大事に持っていたUFOのDVD「Too Hot Too Handle」を見ながら、バンドが出来ないならせめてライブが見たい!・・・と思って、WEBを探してみたら、なんともタイムリーなお話でUFOのツアー。
へぇ・・・まだやってるのは聞いてはいたが・・・・
マイコーはいないんだなぁ・・・・昨年、マイケル・シェンカーがグラスゴーでライヴというアナウンスがあったが、噂ではかなり悲惨なことだったと聞いていたので・・・・やはり思い出はあくまでも美しく・・・そーだ、丁度初恋の人が同級生にいたとして、何十年たってから同窓会に出て幻滅したという感覚なのだろうか・・・・それならやっぱり見ない方がいい。
特にこんな美しかったバンドの場合は特にである。
でもって・・・恐る恐る・・・フィル・モグが現在どんな風貌になっているのか確かめてみなくては・・・でYoutubeで発見。
ぎゃ・・・・髪の毛が・・・短い!!ジンジャー・ヘアーだったはずなのだが・・・金髪短髪。老けたなぁ・・・・
どないしよ・・・今はどんな音を出してどんな声なんだろうか?で昨年リリースされたアルバムを聞いて判断しようと、Moinkey Puzzelをゲット。
ファースト・トラックのビートが聞こえて、もぐちゃんの声を聞いて即座に・・・これは行かねばなるまい!
チケットマスターに入り込んで、チケットを入手。
なんという早業で、3月21日のインバネス・ライヴへの予定を立てたのだった。
ちょうど昨年は夏場は下宿生がいたので、クリスの母の住むインバネスにはいけなかったので、ここは少々遠い道のりではあるが、どうやら会場も新しく出来た音響のよさそうな会場だったので、インバネスへ・・・
オフィシャルのサイトへ行くとBig News!
ドラマーのアンディー・パーカーが足を骨折して、ツアーに参加できないらしい。
それでもツアーはGOで、急遽身代わりドラマーのサイモン・ライトが抜擢される。
彼はDIOで叩いていたし、1995年から10997年にUFOに加わったこともあるので、頼もしい助っ人ではあるが・・・
しかし・・ドラマーというもの・・・両腕両足がなければ出来ない楽器やねんなぁ。と・・・判りきったことなのだが、改めてそーなんやーーーと思う。
だいたいドラマーって短命でアキシデントが多くない?
キース・ムーン、コージー・パウエル、ジョン・ボーナム、ジェフ・ポーカロ、ピップ・パイル・・・よく交通事故を起こすようである。
デフ・レパードのドラマーも事故で片腕なくしちゃって、軌跡のカムバックを果たしたが・・・
UFOのアンディーも交通事故とは!

3月21日、水曜日。
数日前から、真冬に逆戻りして寒い毎日を送っていたのだが、北方や内陸で大雪のNewsを見ながら、マッセルバラのサンシャイン・・・同じ国なのか?と疑ってしまう。
エジンバラからインバネスへのバスの旅はパースの分岐点で、内陸を北上していく。
そのルートは毎冬、真っ先に大雪で道路が閉鎖される雪深いところであるので、大丈夫かいな?といささか心配。
お天気に関しては自分たちではどーしようもないわけで、ただ行くっきゃない。
エジンバラからインバネスまでのバスの所要時間は3時間半あまり。途中ストップするのはパース
しかないので、恐ろしく高い国鉄を利用しても3時間弱あまりでいくつもの停車があることを思えばバスの方が快適なのである。
エジンバラのバス・ステーションから乗り込んで、1時間あまりでパースで乗り換える。
雪の心配はいまのところない。もう充分です!と言いたくなるほどの羊とヤギと牛と馬と荒野を見渡しながら、ブリテン島の避暑地として知られていて日本の夏目漱石もこの地を避暑地として利用していたというピトロッホリーを過ぎる頃から、両サイドに広がる山々がどれも白く雪に覆われていた。
バスはぐんぐん内地を北上していくにつれ、雪が広がっている。
一面の雪化粧に灰色の道路だけが肌を見せている感じである。
これならインバネスまで無事に到着できそうだ。
6時を少し過ぎた頃、凍りつくような寒さのインバネスに到着した。
すぐさま、タクシーで実家のあるキングスミルズへと向かい、荷物を降ろしてしばし休憩を採った後、再びTAXIで今夜の会場Iron Worksへと向かう。
インバネス。夏場はネス湖というアトラクションのお陰で近年、「市」に昇進したものの、まだまだ田舎町の感覚はぬぐえない小さな町である。
新しく出来たこのライブ会場。
キャパはスタンディングで満員御礼で900名あたりだそうだが・・・果たして・・・こんな田舎町に未確認飛行物体UFOを求めてどのくらい観客が集まるのかちょいと不安になってきた。
100名?いやそれ以下かもしれないなぁ・・・
TAXIを降りるとき、運ちゃんが「Enjoy UFO!」と声をかけられる。
こんな小さな町なのだから、誰もがどこで何をやっているのかわかるのだろうけど・・・
長閑だよなぁ・・・・
Iron Worksに入ると、バッグ・サーチなんてヤボなもんは存在しなかった。
手首にUFOと名の入ったタッグをつけられる。
なんだか鶏小屋の鶏になったような気分。
場内は映画館を改造した後のような感じで、かなり天上が高い。おまけにステージがどえらく高い。
こいつは前方には「首」に無理が生じるとの判断で今宵の位置はせめて真ん中あたりまで後退せねばならんだろう。
雪に覆われたハイランドのライブでどれほどの観客が集まるか心配していたのも吹っ飛ぶ。
600名ほどはいただろうなかなかの集まりになっていた。
年齢層はやはり40代中盤から50代中盤あたりが圧倒的に閉めていて、どれを見ても、20ー30年前は革ジャンに皮パンツや細いジーンズなんぞを穿いて耳にピアスをして、メタルしていた名残を覗かせているROCKおじさまが一杯!
こういうおじ様たちが息子を引っ張ってきている図も多い。
息子は長髪のバリバリメタルBOY・・・実にほほえましくなる。後方には勿論BARが備わっていて、アルコールやり放題。
前座のステージを地元のバンドが30分間勤め上げた後、とうとうUFOの登場だ。

9時ジャスト!
照明が消える!
「U・F・O!」「U・F・O!」「U・F・O!」と声が上がる。
そーか・・・今まで「ユーフォー」と言っていたが正しくは「ユー・エフ・オー」なんか・・・へぇー!
キラキラのステージに四方八方のスポットライトが点滅。
未確認飛行物体の演出か・・・おおおおおお!アレックス・ハービーのFaith Healerがイントロ。
ドドドドドドドっと円盤が接近してくる感覚を美味く演出している!!
イントロが消えて、バンドのメンバーと司会者が現れる。
hiroko。も雄たけびをついつい挙げてしまう。
UFO!始まったぞ!!!
Mother Merry!
ひやぁー!もぐちゃん、おじいちゃんみたい!浮いてる!
ひやぁー!ピートってまだあのストライプのパンツはいてるんやぁー!
ひやぁー!サイモン・ライトのドラム、強烈やなぁ!やっぱ、メタルはドラムやなぁ!めたくそヘビーでタイト!

パワーすげぇーなぁ!ぴかぴかのドラム・・・触れてみたぁーい!
ひやぁー!ヴィニーってかわいいなぁ!
ひやぁーーー!レイモンドって一番かっこよくおじさまになってるなぁ!
ひやぁー@!ひやぁー!
言葉を失う、ひたすら、「ひやぁー!」
やっぱ、ROCKはええなぁ!!!!縦ノリノリ、首が上下、両足がリズムを刻む。
お尻が揺れる。
サウンドに少々ばらつきがある、ギターが小さいぞ!しかし、ドラムがすげーわ!
ベードラが子宮にズンドコ届きそう!これこそ、探求のオーガズムやなぁ!
ROCKはこうでないとなぁ!!!!

Good Evening Scotland!!
もぐちゃんがご挨拶。
Let It Roll!ピートが長髪の頭を振り乱して足踏みをしながら、重たそうな体を飛び跳ねさせながら乗りまくる。
こんなとっぱなから、そんなに飛ばしてダイジョーブかよぉー!ピートぉー!
彼って本当にROCKERなんだなぁ。
ステージ上のエネルギーが雪解けの雪崩のようになだれ込んでくる。
しかし、この雪崩は熱い!

ヴェニーが転がった!背中を床に付けて、まるで映画のフラッシュ・ダンスばりにくるくると回り出す。
もぐちゃんは「彼は床をこうやって掃除するんだが誰からも感謝されないんだぜ!」
もぐちゃんは想像よりもずっとずっとコメディアンのようなジョークを飛ばすもっともっとフツーな感じで、親しみが沸く。アル中で酷いという噂どおり「EUからの戦勝品さ」と言いながら、ユーロッパ・ツアーからのお土産ビールを始終飲んでいる。
なんかヨロヨロとして大丈夫かいな?
もうすでに出来上がってるといった感じであはるが、さすがに歌が始まると、しゃきっとしている。プロなんやなぁ。

「1年以上も賭けて練習したんだ、モンキーパズルのアルバムからHard Being Meだ!」
ピートはグラスに注がれたワインを飲んでいる。
彼のパワーの源は白ワインか!
50代後半のメンバー・・・この凄まじきパワー。鍛え方が違うのだろうナァ・・・
少々ワルの代表としてのバンドではあったが、その実、ものすごい練習量をこなしているはずである。
案外凄くまじめなバンドのような気がしてならない。
これだけの歴史の中でこれだけのメンバーチェンジを行ったバンドであるのに、何十年来続けているようなまとまりを見せている。これはやはりオリジナルメンバーであるもぐちゃんとピートの信頼感からくるものだろう。
ステージの上がまるで沸騰したヤカンのような熱気を放っている。んが、若い頃、そして今も一番地味で、一番目立たないポール・レイモンドだけが一人涼しげでクール。
目がモグちゃんを通り越してレイモンドに張り付いてしまう。

Only You  can Rock me Rock me!
思わず、hiroko。も飛び跳ねてRock me! Rock Me!
あああ・・・・マイコーがいたらもっとええんやけど・・・この曲はマイコのギターが欲しいとこやなぁ。などとちょいと贅沢なことがふと脳裏によぎる。

Too Hot to Handle!!!!!!
どうしてもドラムに釘付け!
素晴らしいパワードラム!何十年か前の自分の姿がだぶる。
ああ・・・この部分はこう叩いてみるのも格好ええなぁ。
それでもやっぱこの歯切れのよいタイトさはさすが・・・サイモン君!
帰ったらAC/DCも聞きなおさねば・・・
おおーい!今この場にかつての仲間、イトーくん、はったくん、マツダくん、スクリュードライバーの連中がいたならばサイコーやろなぁ。
おおい!今あたしはほんまもん見てるねんぞぉー!また集まってやりたいなぁ!
懐かしいレトロのような熱い思い出が蘇る。
「熱すぎて手がつけられねーぞ、べいべぇー!」

Lights Out
Lights Out London!・・あああ・・・やっぱInvernessは歌いにくいのか・・・Londonの歌詞のままか・・・・
レイモンドのレーザー光線音がピュピューピューと締まりを入れる。
Hold tight To the Airでもぐちゃんには珍しく振り付けが入る。
なかなか可愛い!!

Rock Bottom、ジャンピングが始まった。
ラストソングは、ヴェニーのたっぷり過ぎるほどのギターソロ。
ピートは床に転がって小休憩。

アンコールは涙がちょちょ切れそうなDoctor Doctor!
イントロが始まるやいなや、鼻柱に涙が詰まりそうになった。
この曲はまさに名曲!!泣けてきそう。
ギターも泣いている。
ドラムが炸裂。
温存していたhiroko。のエネルギーもここにきて爆発!
両腕を振り回してビュンビュンと飛び跳ねる。
So Far away from You!
ピートとレイモンドが観客に向かって指をさす。
おお!レイモンドが振り付けしてる!!!似合ってないがかわいい!

「今日は新聞のスコッツマンの記事を呼んだんだけど、ポーランドでキルトが流行り出したって・・・なぁ、ヴェニーがキルトを穿いたところを想像できるかい?ファンタァースィックだろうな・・・」
ラストソングのShoot Shoot・・・
間奏のあいだにメンバー紹介。
インバネスの凍てつく3月21日の夜、その寒さを1機の空飛ぶ円盤が降り立ち、インバネス全体を熱い熱波で人間を包み込み魅了した。
熱い熱い未確認飛行物体はその余波を地上に残しながら、再び空へと舞い上がり、長い旅に向かっていった。
出来ることならばその円盤にさらわれて連れて行って欲しいものだと願いながら・・・・・



Set List

1.intoro FAITH HEALER
2.MOTHER MERRY
3.WHEN DAYLIGHT GOES TO TOWN
4.LET IT ROLL
5.I'M LOOSER
6.HARD BEING ME
7.THIS KID
8.FIGHTING MAN
9.ONLY YOU CAN ROCK ME
10.BABY BLUE
11.LOVE TO LOVE YOU
12.TOO HOT TO HANDLE
13.LIGHTS OUT
14.ROCK BOTTOM

15.DOCTOR DOCTOR
16.SHOOT SHOOT

UFO