Jim Malcom farewell tour
Edinburgh 14/08/2006


エジンバラ・フェスティバルもたけなわのエジンバラ。
今夜から3夜にかけてエジンバラ城で繰り広げられているミリタリーTATTOのTV収録が始まっている様子である。
そんななか、ちょいと趣向を変えて、スコッツのトラディショナル音楽に酔いしれようとやってきた、St Bridesのアコスティック・ミュージックセンター。
今夜の目玉はOLD BLIND DOGS。
スコットランドを代表する最も素晴らしいケルト・バンドである。
最も、ケルト音楽と言えばアイルランドそしてスコットランドでも西海岸が本場である。
しかしこのOLD BLIND DOGSはオリジナルがアバディーン出身のバンドなのである。
しかるにケルト音楽に特有のゲール語(英語の古語)だけではなく、アバディーン特有のドーリック語が混ざって、この言葉はアバディーン東北部沿岸の地方のものしか理解できない特有の言語を織り交ぜたりしてバンドの特徴を誇っている。
BBCのケルティック・コネクションに出演してインタヴューを受けていたジムが語るには、ドーリック語は多分、一番ピュアーなオリジナルなスコッツの言語なんだと思うと語っていたのを思い出した。

1990年にアバディーンで生まれたバンドではあるが、当時のメンバーでヴォーカルとギターを担当していたイアン・ベンジー時代のOBDがトラディショナル色の濃かったものに対して1期、2期、3期とメンバーが出たり入ったりを繰り返し、1999年にパースシャー出身のジム・マルコムが加わって、よりモダンな音が導入され、ジムの影響でアメリカ・ツアーも頻繁に行われるようになった。
このエジンバラ・フェスが終わると、再びアメリカン・ツアーを再開し、そおしてジム・マルコムがバンドを離れることになった。
所謂、地元スコットランドにおけるFarewellツアーとなってしまった。
結局、アバディーンで生まれたこのバンドもオリジナルで残っているメンバーはフィドルのジョニー・ハーディーだけとなってしまっている。

ジム・マルコムはカナダ人の奥さんとの間に生まれたかわいいベイビーそして、生活のペースをスローにして規模も小さなものにしたいとの意向で、素朴で田舎生活の好きな彼らしいスロー・ダウン嗜好に頷いてしまう。
今年始めの、グラスゴーで毎年開かれるCelticコネクションでもスコットランドを代表するFinestバンドとしてBBC4のTVに出演していた。
hirokoとしてはイアン・ベンジー時代のバンドも好きだったが、勿論ジムのジェイムス・テイラー似のスムーズな甘い歌声も大好きである。

さて、会場であるSt Bridesに少々早めに到着。
中のPUBで地元のエールを飲んでいると、おおおお!Old Blind Dogsたちが集まっている!!!
ああああ・・・ほんまもんや!
いくつになってもこのミーハーなとこが抜けなくて、お恥ずかしい。
ジム・・・おお!男前やなぁ・・・少々太ったかな?
するりと通りすがりに・・・クリスが「ジム!」と声をかけた。
「何だい?」
(ちょいとぉ!嘘やロ!!ジムが振り向いた!)
「僕の嫁さんがキミの大ファンなんだ!」「おお!日本から来たのかい?」
「いいいいい!No!マッセルバラ!でもね、昔はアバディーンだったのよ!」
「あはは・・・そいつはいいや!」
「ねぇ、本当にこれで終わっちゃうの?・・・ここにサインしてもらえる?」と言いながらチケットとペンを取り出して、しっかりとジム・マルコムに握手とサインをもらう。
いろいろチャットをしながら、ジムの気さくな普通のフレンドリーなスコッツそのまんまにいたく感動を覚えてしまった。
待合室兼PUBの一角にメンバーたちが集まり出番を待っている。
控え室などというものはないみたいである。
そのうちジムが後ろ向きになってシャツを着替え始めた。
げげげ・・・うっそぉー!こんなとこで着替えるわけぇ?
ちらりと振り向いたら、ジムの白い背中・・・うっそおー!感激!
まるでティーンエイジャーである。

会場内に入ると、そこはまるで映画館みたいに席がある。
ステージとは言っても高くこしらえているのではなく、そのまんまのフロアーに座席が斜面になっているという感じ。
このテのCelticバンドはライブハウススタイルのpubで席があってテーブルがあって、飲み食いしながらワイワイがやがやの喧騒の中で勿論踊れるスペースがあってというのがお決まりで最も好ましいスタイルなのだが・・・・
少々驚いていた。
このバンドはチンと座って静かに聴くタイプの音楽ではないのだ。
まぁ来週同じところで行われるバート・ヤンシェはこのスタイルがGOODなのであるが・・・
エジンバラ・フェスのまっただなか、適当なPUBや会場が見つけられなかったのだろうなぁ。
ちょいとブーリングしたくなる。

早い者勝ちの席確保は素早く最前列。
9時を10分ほど回って、バンドがステージに。
軽快なサウンドが響きわたる。
ジョニーハーディーの素晴らしいフィドル。ロイ・キャンベルのパイプにフルート。
後列の若者たちがこぞって前に押し寄せて、フロアーに座りだして手拍子を始めた。
1曲目が終わると、警備のおじさんが彼らに注意し席に戻してしまった。
ジムやロイが「おうほう!いいじゃないか!どーしてなんだ?」と首をかしげる。
「ごめんよ!」とジムが謝る。
せっかく若者たちがトラッドに興味を示し、乗っているというのにその芽を摘んでしまう、音楽の分からない堅物おじさん。いるんやなぁ・・・スコットランドにも・・・

メンバーそれぞれが職人技の素晴らしい演奏。
ロイ・キャンベルのパイプにジョニーのフィドルがうまくかぶさりあっている。

やはりここでもフェスティバルバージョンなのか、曲目は短め・・・というか、あっという間に時間が過ぎ去った。
「時間的にあまり余裕がないんだけど、最後にアカペラで「タティー&ヘレン」を歌い終えてアンコールを終了した。

さようなら・・・ジム・マルコム。
だけど彼のソロが今度10月に30名限りという限定人数の小さなPUBで行われる予定であるので、今からせっせと
彼の奥さんにE−mailを打っている。

終了後、ロイ・キャンベル君に「セットリスト・・ちょーだい!」とにんまり笑って、尋ねると、気さくに頂戴できた。
手書きのセットリストはhirokoの宝物になりそうだ。



戦勝品の手書きのセットリスト