NEIL YOUNG With Crazy Horse
Radio City NY

17,March 2004



3月17日

ラストフェストにちょいと顔を出し、RadioCityのBOXオフィースへ。
インターネットで購入したチケットを事務所受け取りにしていたからだ。
昨年5月にLondonのソロ・グリーンデールを追っかけてから、約10ケ月。
やっとこエレクトリック・バージョンをこの目で見れるチャンスが訪れたのである。
ソロのグレーンデール物語でモノクロなりにも大きく膨らんだロックオペラがUSツアーのエレクトリック・バージョン
でどのようになるのか、世界中のファンが期待に胸を弾ませたはずである。
幸いにもhirokoはブートレグのトレーディングをしているお陰でUSツアーの殆どの録音を制覇し、映像であるVCDも入手し、そのステージ上で描かれるハイ・スクール芝居のグりーンデールとエレクトリックの音源を垣間見る機会に恵まれた。
しかしだ、生を体験したいではないか!

USツアーの終了後には何と日本公演も挙行し、おまけにオーストラリアまで廻ってしまったニールとホース達。
こうなってはヨーロッパの連中は面白くない。
(何言うてんのや!アメリカ、日本、オーストラリアはソロがないんやど!)・・・とは怒られても、やっぱりお芝居だって生で見たいし、エレクトリックの感動を体験したい。
ヨーロッパには来るのか?来ないのか?様々な意見がバーチャル上を飛び交っていた。
運良く3月の休暇を得たクリス君は、いてもたってもいられなくなっちまった。
ブリティッシュエアウェイズのニューヨーク便をゲットし、何とも素晴らしい世界でも指折りの会場の一つであるラジオシティーの2夜をゲットし、追加で決まった20日の公演も加えて3夜のグリーンデール体験を実現させようとしている。

7時の会場で列に加わり、簡単な持ち物検査を受ける。
ラジオ・シティーは1932年にオープンされた世界でも最大級の劇場である。座席の数は5、882席だということだ。
さすがだねと頷くほどのふかふかのカーペットや豪華なインテリアで、ここでは舞台裏の見学ツアーなんかもある。
係員もそんじょそこいらの劇場の係員とは違って、蝶ネクタイをしてどことなくお上品である。
気持ちのいいくらいのふかふかのカーペットが心地よく、寒いマンハッタンの通りから入ってきた観客たちを温かく豊かな気分にしてくれる。
今宵の席は128ドルの高値のチケットであっても後方に近い1ランク下の値段のトップあたりぐらいになるだろう2階席の前から3番目ってなシートである。始めて生のグレーンデールの舞台セットを目の当たりにして、興奮は高まって行く。
ラリーじいちゃんが現れた。
ポーチに腰掛け新聞を広げる。いよいよだっ!
ニールに伴われて3人のホース登場。
大きな拍手が沸き上がる。
耳にタコが出来るくらい聞き尽くしたグリーンデールの始まり。
どこに目をやればいいのか戸惑ってしまう。
演奏をするニールとクレイジーな馬達を追いながらも、お芝居も追い、そしてスクリーンにも目をやらねばならない。
目が最低6つは必要じゃないかっ!
USツアー始まり当所の少々バラついた音から2004年バージョンはさすが歌い込んできただけに、抜群の音の締まりを聞かせてくれる。
1曲目のFallin From Aboveが終わり、語りが始まる前にニールは言う。
「ハッピー・セント・パトリック・デイ!」
そうなのだ、今日はアイリッシュの守護聖人を奉る盛大なお祭りが開催されたところなのである。
マンハッタン中のアイリッシュ・PUBというPUBは中にすら入れないで外で列をなす光景が至る所で見掛けられた。
勿論通りも緑の帽子やマフラー、フェイスメイキング、クローバーの飾りなど、いかにアメリカにアイリッシュの移民たちが流れ込んできているのかを物語っている。
外のお祭りに負けじと、ポンチョのオルガンにはアイルランドの旗がデコレートされ、お祭り気分を盛り上げている。
今夜のニールのステージ・ドリンクはギネスに違いない。

2曲目のDouble Eが終わり、再び語りに入ったところ、やっぱここにもドあほうがいた。
「最上階で!汚職が行われてるんだぁ!」という野次というか叫びをあげた大馬鹿者。
ニールはすかさず、「まだ、その場面ではないんだ!その時がきたら説明するよ!」と大馬鹿野郎に注意を呼びかけた。
3曲目Devil's Sidewalk、ああ、デビルや!
このデビルの踊りがhirokoのお気に入り。
家でもこの踊りを、ことある度にクリス君の前で披露しては顰蹙を買っている。
おお!やっぱ生はいいなぁ。あの足の上げかた!
デビル君。悪役なんだけど、愛敬があって面白い。
4曲目、とうとうJedが警官のカーマイケルを撃っちまった。
カーマイケルの説明を始め、その頃からちょいとばかし観客が騒がしくなってきた。
するとニールは・・・・「シャラップ!アーソー!」と発してしまった。
観客は大喜び。
「ごめん、だけどカーマイケルが言ってるんだ!」とニールは弁解する。
5曲目のCarmichael、お葬式でオフィサー達がコメントをする中、未亡人レノアのカーマイケルとの思い出に更ける。
その後1年間誰もカーマイケルの駐車場に車を止めることにないその空間がスクリーンにむなしく映し出される。
Banditの説明に入り、前方の観客から何やらの野次・・・こいつが聞き取れなかったが・・・
ニールは「何だ?」「・・・・・・もそもそもそ・・・」
そして「F!」と吐いてしまった。
「ごめん!自分に言ってるんだ!」と再び弁明。
6曲目、このGreedale物語中で唯一、物語から外してもこれから歌い続けられるだろうと予想される名曲Bandit。
2003年のヨーロッパを駆け巡ったソロ・ツアーの体験をこの1曲で味わうことが出来る。
生ギターに持ち替えて、ステージはモノクロ1色になる。
スクリーンもお芝居も入らない。中盤の盛り上がりである。
Earlの失望と希望とが交互に入り交じった、じっくり聞き込める味わいのある曲だ。
ニール独特のギターの弦がブルブルズンズン震える。
Someday You'll find・・・・観客から大きな拍手が沸き上がる。
誰もの心に通じるものがあるのだろう、じぃーんと染み渡る。
hirokoも鼻柱に熱いものが込み上がってくる。
何という優しい曲なんだ!
7曲目、Granpa's Interview。
へぇー、おじいちゃんはビスケットが好きだったのか・・・ばぁちゃんが作ったハニーを塗ったビスケットを毎日食べているのか・・・
曾ばぁちゃんの説明では105歳になっている。
昨年のロンドンでは104歳だったから、そーか、誕生日を迎えたんだな・・・
さぁ、ラリーじいちゃんの見せ場である。
押しかけたメディアを蹴散らす為にショットガンを放つ。
ラリーじいちゃんのドアップがスクリーンに映し出される。
とうとうじいちゃんは逝ってしまった。
8曲目、Bringin' Down Dinner、何も知らないばぁちゃん。サン・グリーンから知らされて・・・可哀想・・・
オルガンの音がずっしりと重たい気分にさせてくれる。
9曲目、怒りを溜め込んだSun Green、さぁ、フィナーレ前の名場面となる。
ハーモニカの音が心底まで響き渡る。
メガホンを取って立ち上がったSun Green、一際大人になったような気がする。
そして一気にフィナーレの10曲目、Be The Rain!
ハイスクール芝居の出演者が全て出てくる。
す・ば・ら・し・い!の一言だ。
ここはニューヨークはマンハッタン、すぐ近くにはブロードウェイだ。
様々なニュージカルが上演されているという素晴らしいアトモスフィアの中、ここラジオ・シティーのミュージカルとて素晴らしいフィナーレで観客は総立ちである。
1曲目から10曲目までがあっという間に過ぎてしまう。
改めてニールの底知れない才能に脳天をぶち抜かれた思いだった。
いやはや、生のエレクトリックも凄い。
興奮が冷めぬまま、1部を終了する。

スクリーンにはラスト・ネバー・スリープスの映像が映し出され、若き日のニールを思い起こさせてくれた。
ブレイクはそれほど長くなかった。
2部の始まりは、やっぱ、ヘイヘイ・マイマイ。
こいつがかかるとhirokoは人格が変る。
ぎゃっほーほほほほっー!で飛び上がる。
途切れずにAll Along・・・へと流れて行く。
パウダーフィンガーでなめらかになったところで、出た!
Rockin'in the free world・・・・この曲でもhirokoは人格が変る。
じっとしてはいられない。
うわぁ、このバージョン!ごっついええ!サイコー!
ノリに乗りまくる。
このパワー、このエネルギー、一体どこに蓄えているんだ?
ポンチョは60歳ではなかったか?ニールは58だろ?
こんな過激なステージを見たら、ババ臭くなっていく日々の毎日にビシッと鞭を打たれるようだ。
命ある限りパワー満タンでいたい!
いつもニールのステージをみるとそう思う。
アンコールでは???神通力か!
出発直前にラストフェストへのネームタッグを作るというUwe君からのニックネームとしてDanger Birdを選んだ矢先だった。
AmberさんのサイトのBBSもそうだった。
出ましたがな・・・デンジャー・バードぉー!
嬉しいなぁ!!!!
最後の最後はRoll Another Numberでしっとりと締めくくって、セント・パトリック・デイの夢のような夜は明けていった。

会場を出ても呆然である。
しっかりとニールから受け取ったエネルギーのオーラに包まれて、寒さなんぞは吹っ飛んでいた。
人目さえなければこの通りをデビルの躍りでホテルまで帰りたい心境だった。

ええなぁ。やっぱりライブだ!
ライブに優るもんはない。


セットリスト
1. Falling From Above
2. Double E
3. Devil's Sidewalk
4. Leave The Driving
5. Carmichael
6. Bandit
7. Grandpa's Interview
8. Bringin' Down Dinner
9. Sun Green
10. Be The Rain
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11. Hey Hey, My My
12. All Along The Watchtower
13. Powderfinger
14. Rockin' In The Free World
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15. Old Country Waltz
16. Love And Only Love
17. Dangerbird
18. Roll Another Number